軟口蓋は喉周辺にある軟部組織で、人間でいうところの「口蓋垂(のどちんこ)」に該当する部分である。特に短頭種ではこの軟口蓋が必要以上に長く、呼吸を阻害してしまうことがある。また、当初はさほど長くはない場合でも、努力呼吸や過度な陰圧呼吸をつづけること、また、肥満によって分厚く長く大きくなってしまう場合がある。物理的に大きくなってしまった軟口蓋に対しての有効な内服薬は存在しないため、外科的な切除が適応となる。切除の方法にはレーザーメスや電気メスで離団する方法やメスで切除をして縫合する方法などが報告されているが、当院では炭酸ガスレーザーを用いたほぼ無出血の手術を採用しています。
実績詳細
チワワの短頭種気道閉塞症候群(軟口蓋過長症)の手術
検査結果
元気食欲は良好であるが、診察中でも呼吸をするたびに異常呼吸音が、特に吸気の時に聴取された。
レントゲン検査及び透視検査を行った結果、軟口蓋の過長による呼吸障害であることが強く疑われたた。
診断:短頭種気道閉塞症候群(特に軟口蓋過長症)
治療方法
軟口蓋過長に対しては有効な手術方法が存在するため、外科手術による過長した軟口蓋の切除を行った。
切除前
術野が咽頭周辺なので、写真だと見えづらい。
軟口蓋切除予定部位の左右に支持糸をかける
炭酸ガスレーザーを用いて切除を行う
切除後
こちらもわかりにくい写真ではあるが、約2センチほどの過長した軟口蓋の切除を行い、気道の入り口が容易に確認できるようになった。
治療・術後経過
術後は咽頭浮腫に注意しながら麻酔から覚醒させ、酸素室で安静にさせた。
手術直後より異常呼吸音は聞かれなくなった。
現在、異常呼吸音は聴取されず、安眠できている。
経過良好。
お気軽に
ご相談ください
志津しらい動物病院043-462-1122 受付時間 9:00~11:30 15:00〜18:30
佐倉しらい動物病院043-483-1212 受付時間 9:00~11:30 14:00~17:30