肛門腺の破裂は、大きく分けて2回の破裂が起こる。1つ目は肛門腺の袋自体の破裂、そして、その肛門腺液が周囲の組織を溶かして皮膚に穴をあけ、皮膚が破裂するのが2つめの破裂である。この1回目と2回目の破裂が速やかに起こった場合には周囲組織炎症の程度が軽いが、時間をかけてから皮膚に穴が開いた場合には、肛門周囲の組織まで炎症が波及し、便失禁などが出てしまうこともある。
肛門腺液は組織侵襲性が非常に強く、強い痛みを呈するため、犬でもネコでも、肛門腺破裂が原因で元気食欲の低下を引き起こすことがある。
破裂を繰り返す場合には、肛門腺自体を除去する手術も存在するが、当院においては、複数回破裂した症例に対して、ご家族に手術を提案しています。
破裂が起こってしまう原因は明らかではありません。肛門腺を定期的に絞ってあげることが回避方法であると指導をしていますが、過去には月に一回絞っている子であっても破裂したことがあるため、お尻を気にし始めたらこまめに絞ってあげましょう。
実績詳細
チワワの肛門腺の破裂
種類 | チワワ |
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年齢 | 5才 |
診療科目 | 軟部外科・整形外科 |
症状 | 元気がなく食欲がない。抱っこすると痛そうになく |
症状の概要
検査結果
普段と様子が違う。元気がないという主訴で来院。
症例を診察していると、肛門の左側から出血していることが発見された。
そのため、病状を把握するため、周囲の毛刈りを行った。
症例は左肛門腺の破裂が起こっていた。
肛門腺の破裂は強い痛みを起こすため、症例によっては元気や食欲がなくなってしまうこともあり得る。
今回の体調不良の原因は肛門腺破裂が原因だったと考えられたため、治療をすることとした。
治療方法
この症例に関しては肛門腺が破裂する事は初めてだったため、手術ではなく外科的な洗浄と内科療法を実施して完治を目指した。
洗浄と、消炎剤と抗生剤の内服を行い経過を観察していった。
初診時
治療開始4日後
治療開始2週間後
2週間後の状態で、かさぶたを除去したところ。
皮膚に形成された「穴」はふさがり上皮化が認められたため、治療終了とした。
治療・術後経過
治療開始後翌日から元気や食欲は改善したという事だった。肛門腺も修復されたため、治療終了とした。
経過良好
担当医:白井 顕治
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