会陰ヘルニアの症例の中で、膀胱の後屈脱出が認められるのは約5%とされている。これは偶然膀胱が脱出してしまう場合のあるが、同時に発生している前立腺肥大の程度や、会陰ヘルニアになってからの期間も影響している。本症例は会陰ヘルニアと診断されてから数か月経過していたため、膀胱後屈脱出まで進行したと考えられる。
ヘルニア内に直腸が脱出しているような典型的な症例では、直腸固定を実施するが、直腸がヘルニアに関与していない場合には直腸固定は実施をしていない。
実績詳細
トイプードルの両側の会陰ヘルニア
種類 | トイプードル |
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年齢 | 12歳 |
診療科目 | 軟部外科・整形外科 |
症状 | 会陰ヘルニアで、数日前から尿が出なくなってしまった。 |
症状の概要
検査結果
症例は他院にて会陰ヘルニアと診断されており手術を計画していた。
手術予定日の前に排尿困難の症状が認められたため、当院を緊急で受診した。
レントゲン及びエコー検査において、左右の会陰ヘルニアであり、左会陰に前立腺と膀胱、右会陰に小腸が主に脱出していた。
膀胱の後屈脱出とはアイ尿困難が認められていることから緊急性が高いと判断し、手術を実施することとなった。
治療方法
去勢手術を実施し、開腹手術を行い脱出した小腸と膀胱を牽引した。
前立腺ー腹壁固定を実施し、左右の会陰部はメッシュを装着してヘルニア孔を閉鎖した。
会陰部は術後洗浄を実施する目的で埋没縫合にて縫合を実施した。
治療・術後経過
術後約10日で腹部および去勢手術部の抜糸を実施した。
会陰部も軽度の腫脹は認められるが、内容は少量の液体であったため、経過観察とした。
経過良好
担当医・執刀医:白井顕治
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