本症例では、確定診断を行えていないため、仮診断の段階で試験的に治療を行い、奏功している。
仮診断とした多発性筋炎では、舌の筋にも炎症が波及し、うまく嚥下できないことによって口腔内の細菌過多の状態となり口内炎が悪化するといわれている。
比較的まれな疾患である。
実績詳細
トイプードルの多発性筋炎疑い
種類 | トイプードル |
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診療科目 | 内科 |
症状 | ご飯を食べない |
症状の概要
検査結果
精査を行ったところ、症例の口腔粘膜は炎症を起こし、唾液をうまく嚥下できていない様子であった。
また、口腔付近を触られることを極端に嫌がっていた。
血液検査においては炎症を示す数値及び筋肉に障害が起こると上昇する値の高値が認められた。
治療方法
スクリーニング検査より、免疫介在性の多発性筋炎が疑われた。
ご家族と相談した結果、精査や生検を行い確定診断を下すのではなく、ステロイドを使用した試験的治療の効果を見たいとのことだったため、試験的にステロイド剤の投与を実施した。
その結果、粘膜の炎症は治まり、周囲の唾液も消失し、食事も良好に食べるようになっていた。
また、舌にも炎症が波及していたが、肉眼t系には炎症が改善していた。
また、口腔付近を触れても特に嫌がる様子が無くなった。
治療・術後経過
ステロイドを漸減したところ、症状の再燃が認められたため、症状が治まる範囲内での最小量を使用して経過観察を行っている。
現在経過観察中
担当医:白井 顕治
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