実績詳細

トイプードルの消化管から摘出した鳥の骨(線維性腹膜硬化症併発疑い)

種類 トイプードル
年齢 5歳
診療科目 消化器科 
症状 何度も吐く

症状の概要

骨を誤食してしまった場合、胃酸によって溶けて吸収される場合が多い。ただし、本症例のように溶ける前に胃から小腸に運ばれてしまった場合には、異物として消化管閉塞を引き起こす可能性がある。そのため、フライドチキンのような鳥の骨を食べてしまった場合には注意が必要である。骨が吸収されるかどうかということは、飲み込んでしまった犬や猫の消化管の健常性や、飲み込んだ際に丸のみかかみ砕いて飲んだのか、また、骨はゆでたり揚げたりするような加熱処理がされているかどうかということも、溶けて吸収されるかどうかに影響される可能性があると考えられる。

検査結果

症例は頻回の嘔吐を主訴に来院した。

検査を実施したところ、レントゲン及びエコー検査において小腸領域に何らかの骨と考えられる異物が認められたため、開腹手術を行うこととした。

 

 

治療方法

 

腹腔内が重度に癒着しており、線維性腹膜硬化症に罹患しているとみられた。

 

 

小腸より骨を摘出した。また、骨の周辺に同様に異物が認められたため、併せて摘出して手術終了とした。

 

治療・術後経過

骨を観察した結果、鳥の尺骨である可能性が考えられた。

 

術後、速やかに状態は改善され、治療終了となった。

 

 

担当医:白井 顕治

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