角膜に持続した炎症が存在すると、血管新生や色素沈着、濾胞の形成を起こすことがある。本症例は角膜濾胞が形成されていた。それらはあくまで二次的な異常であるため、根底となる慢性刺激や慢性炎症の原因を除去することがもっと重要な治療といえる。症例にもよるが、慢性刺激の原因となりやすいのは異常睫毛や眼瞼の形成異常、ドライアイやマイボーム腺機能不全、瞬目不全などがあげられる。そういった基礎疾患に対する治療とともに消炎治療を適切に実施する必要がある。また、異常睫毛のように完治できるものもあれば、完治が望めない以上もあるため、そういったものが根底にある場合には継続して治療を行わなければ再度異常が発生する可能性が高い。
実績詳細
トイプードルの濾胞性角膜炎
検査結果
視診及び眼科検査を実施した。
症例の眼瞼は硬化しており、眼瞼圧迫を行い確認したところ中程度のマイボーム腺機能不全であった。また、涙液量の減少に伴い慢性角膜炎を呈していた。
角膜表面の損傷を調べるために実施したフルオロセイン染色では染まらず、角膜中央部に濾胞形成が認められた。
治療方法
症例は慢性炎症により角膜に濾胞を形成しているため、ステロイド剤の使用とともに、炎症の原因となるドライアイやマイボーム腺機能不全症に対する点眼治療を実施した。
治療・術後経過
治療開始1週間後には濾胞は消失し、角膜表面も光沢が出てきた。
治療開始3週間後には角膜へ新生している血管も減少してきた。根底的なマイボーム機能不全やドライアイは完治するものではなく継続管理尻行く必要があるため、ステロ度剤を休薬し、それらに対する点眼をつづけていくこととした 。
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