無菌性大腿骨頭壊死(レッグ・カルベ・ペルテス病)は主に若齢の小型犬に起こることが多く、真の原因は不明であるが、大腿骨頭に向かう血管の異常によって大腿骨頭が壊死してしまうのではないk太といわれている疾患です。
通常は片側性に発生しますが、全体の20%ほどで両側に起こることもあるため、注意が必要です。診断には触診、レントゲン、関節エコーやMRIが有効です。特に診断精度が高いものはMRIやエコーであるといわれており、レントゲンでは初期は異常が認められないものの、時間経過を追って撮影を行うことによって、徐々に異常が認められることもあります。
治療に関しては、残念ながら内科療法はあまり効果を示すことが少なく、外科的に大腿骨頭の摘出を行うことによって治療とします。
実績詳細
トイプードルの無菌性大腿骨頭壊死(レッグ・カルベ・ペルテス病)
種類 | トイプードル |
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年齢 | 1 |
診療科目 | 軟部外科・整形外科 |
症状 | 後ろ足を痛そうにしている |
症状の概要
検査結果
触診を行うと、患肢の筋肉が優位に錯綜していた。また、股関節を進展させた際に強い痛みを認めた。
若齢であるという点と、股関節に対する強い痛みを呈しているという点から、無菌性大腿骨頭壊死を疑い、レントゲン検査及び関節エコー検査を実施した。
レントゲンでは患側の大腿骨頭の変形と骨折が認められた。
エコーにおいて、関節液の貯留と軟骨の不整が認められたが、反対側には異常は認められなかった。
(両側性に発生することもある病気であるため、健常側も調べています。)
診断、片側の無菌性大腿骨頭壊死
治療方法
診断に伴い、外科的に大腿骨頭の切除を行った。
ーーー以下大腿骨頭病理所見ーーー
今回検索した大腿骨頭では、大腿骨頭軟骨直下の骨組織に壊死が起こっており、大腿骨頭壊死症と診断されます。病変部の骨梁間では、肉芽組織の増生が起こっており、やや慢性経過を示す病変と考えられます。
このような病変は幼若な小型犬に好発する疾患で、特にトイプードルで好発傾向を示します。今回検索した組織内には進行性の炎症や感染性の変化は認められません。
治療・術後経過
術後、歩行状態は改善され、治療終了とした。
経過観察を行ったが、手術した方の反対側の大腿骨頭壊死は起こらずに成長していった。
予後良好
執刀医・担当医:白井顕治
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