跛行が生じている際には、注意深く触診することが重要である。大型犬においては骨関節疾患が多発するものの、本症例のように整形外科疾患以外の理由で跛行を呈することもあるため、注意深く観察・触診する必要がある。
実績詳細
ドーベルマンの肉球に形成された肉芽組織による跛行
検査結果
症例は成年のドーベルマンであった。
歩様検査において有意な前肢の跛行とヘッドボビングを認めた。
レントゲン検査においては特に異常は認められなかったものの、触診において肉球にわずかな出血点があり、そこを触れると疼痛を示した。
異物の存在を疑い探索したが、痛みが強かったため、検査を兼ねて麻酔下で患部を摘出することとした。
治療方法
麻酔下、患肢
患部を消毒して、パンチ生検を用いて患部を含めて摘出し、縫合した。
治療・術後経過
以下病理所見ー-
左前肢第5指肉球の組織では、肉芽組織の増生が起こっています。明らかな病因は確認されませんが、異物の刺入や外傷などによる組織の傷害により引き起こされた修復性の変化と考えられます。検索した組織では、腫瘍や感染性の変化は認められません。
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処置後より、歩行は改善され、2週間後に抜糸を行い治療終了とした。
今本症例においては、外傷もしくは異物によって形成された肉芽腫が原因で炎症が生じ、歩行による持続的な刺激によって肉芽腫が消失しないために跛行が継続しているものと判断した。
経過良好
担当医:清水 健
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