睾丸は、胎児期に腹腔内で形成されて、動物種によりますが犬や猫ではほぼ出産と同時に陰嚢内へと下降します。正常に陰嚢内に睾丸が下りてこないことを停留睾丸や陰睾、潜在精巣などと呼びます。犬で比較的よく認められますが、ネコではまれな疾患です。潜在精巣の場合には、犬においてはのちに腫瘍化する可能性が高く、手術が勧められると同時に、潜在精巣の個体は繁殖には用いないことが勧められます。猫においても手術が勧められ、その場合には本症例のように開腹して停留した睾丸を摘出します。
実績詳細
ネコ(ノルウェージャンフォレストキャット)の潜在精巣の手術
検査結果
触診の結果、陰嚢内には睾丸が一つしかなく、潜在精巣(陰睾)と診断された。
治療方法
手術ではまず陰嚢内の精巣を摘出し、次いで腹腔内に遺残した潜在精巣の摘出をする。
陰嚢内の精巣の摘出
開腹し、遺残した精巣の切除を行う
腹腔内に停留した精巣(上)は正常に下降したものと比較して低形成であることがわかる
治療・術後経過
出血や感染も起こらず、術後良好に回復した。
経過良好
担当医:白井 顕治
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