瞬膜腺脱出は、脱出した瞬膜がサクランボのように見えるため、俗称としてチェリーアイと呼ばれる。
通常は2歳以下に発症し、後発犬種としてはイングリッシュブルドッグ、ビーグル、アメリカンコッカースパニエル、ペギニーズ、ラサアプソ、チワワなどが挙げられる。10歳前後で発症した場合には、見た目が似ていたとしても腫瘍性病変の存在を疑う必要がある。治療法としては外科的な整復によるが、整復方法としてMorgan pocket法やアンカー法が挙げられる。
瞬膜腺が脱出しているからと言って、切除する方法は現在推奨されていない。切除した群は整復した群と比較して7倍程度、ドライアイを発生するリスクが高まるためである。切除せずに整復手術を行ったとしても、県条件と比較するとドライアイの発生率は高いため、涙液量を定期的に観察していくことが重要となる。
実績詳細
ハバニーズに左目に発生したチェリーアイの整復
種類 | ハバニーズ |
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年齢 | 5カ月 |
診療科目 | 軟部外科・整形外科 眼科 |
症状 | 眼から赤いのが出ている |
症状の概要
検査結果
症例は若齢のハバニーズであり、元気食欲及び一般状態に異常は認めれなかった。
精査したところ、第三眼瞼の形状に異常が認められなかったため、瞬膜腺の脱出(チェリーアイ)と診断した。
ご家族と相談し、不妊手術と同時にチェリーアイの整復を実施することとなった。
治療方法
術前の様子。第三眼瞼の縁から瞬膜腺が脱出している。
Morgan pocket法にて、瞬膜腺を切除することなく眼窩内に収納した。
写真は局所血流制御をおこなっているため、白っぽくなっている。
整復後、第三眼瞼のみが見えている。
治療・術後経過
術後も再脱出することなく、眼球内の炎症も起こさずに治療終了となった。
経過良好
担当医・執刀医:白井 顕治
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