実績詳細

パピヨンの角膜穿孔に対する点眼処置による治療

種類 パピヨン
年齢 13歳
診療科目 眼科 
症状 左目から液体が出てきている

症状の概要

角膜穿孔は、角膜に穴が開いてしまう状態を指す。外傷性に穿孔を起こしてしまうこともあるが、一般的によく遭遇するのは、感染がコントロールできずに、細菌感染によって角膜実質が融解してしまうことによって穿孔を起こすパターンである。
そのような場合には、どちらのほうが重要という話は一概に行うことはできないものの、コンタクトレンズや目を閉じるといった処置と比較しても、感染を制御することが重要であるとされている。
また、角膜穿孔を起こしている時点で、視力の回復はかなり難しいと考えられる。その場合、手術を実施しても視力の回復に関しては大きな差が認められないため、内科療法で行くという選択肢も重要なものであると考えている。

検査結果

症例は他院にて角膜障害の治療中だが、手術が必要ということで当院へ転院してきた。

 

左目の角膜が広範に融解しており、細菌感染が顕著であった。

 

ご家族と相談した結果、年齢的にも手術は避けたいということと、点眼治療であれば、こまめに行うことは可能ということだったため、手術をしないで内科療法によって治療することとした。

治療方法

目の周りの毛を刈るとともに、目やにを除去、洗眼処置を行った。

 

角膜染色を実施して、角膜穿孔が起こっていることを確認した。

 

洗眼前、洗眼後

 

抗生剤の内服及び点眼を実施して経過を観察していった。

 

治療開始1週間後

治療開始2週間後

治療開始3週間後

 

角膜の欠損は修復され、角膜染色を行っても、角膜上皮の回復が認められた。

エリザベスカラーは外してよいという判断をくだした。

 

治療・術後経過

現在、抗生剤及び角膜保護剤を使用して、経過観察中である。

 

 

担当医:白井 顕治

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