肛門腺嚢は、肛門の左右にある肛門腺液を貯蔵している袋状(マヨネーズのプラ容器のような形)の構造物です。中に貯蔵される液体は匂いが強く、通常は排便時に力むことによって、便と同時に排泄され、たまりすぎてしまうことはありません。液体はその時の体調や体質、食べているものや活動性により、さらさらした液体状のものから、油粘土状に硬いものまで様々です。硬い肛門腺液が貯留してしまうと、排泄されなくなり肛門腺嚢の破裂が起こります。
また、肛門腺嚢の破裂は大きく分けて、肛門腺嚢自体の破裂と、皮膚の破裂に分けることができます。肛門腺液は非常に組織刺激性が強いため、皮下で肛門腺嚢が破裂した場合、破裂して出た肛門腺液によって周囲の組織が壊死します。壊死が進行した結果、皮膚も壊死をして、ご家族が肛門腺嚢の破裂に気づきます。皮膚が破裂していない段階で発見されることもありますが、多くは破裂した状態で来院されます。
破裂を繰り返す場合には肛門腺自体の摘出を行う場合もあります。
実績詳細
フレンチブルの肛門腺の破裂
種類 | フレンチブルドッグ |
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年齢 | 4歳 |
診療科目 | 軟部外科・整形外科 |
症状 | お尻を痛がっている |
症状の概要
検査結果
身体検査を実施すると、症例は左側の肛門腺嚢の破裂を起こしていた。
問診をさらに行うと、症例は数日前からお尻を気にするようにこすりつけるしぐさをしていたということだった。
治療方法
肛門腺嚢の破裂部位周囲の毛刈りと、消毒を実施して、消炎剤及び抗生剤の投与を行った。
治療・術後経過
投与後やく20日後、破裂部位は閉鎖し、治療終了とした。
担当医:白井顕治
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