検診時に脾臓や肝臓に偶然に腫瘤性病変が発見されるケースは非常に多く、発生している場所、大きさ、数、腫瘤内の様子、ほかの臓器にも腫瘤があるか、どのような内服を飲んでいるか、これまでに病気になったことがあるか、などによって、腫瘤への判断や対応は異なる。
今回の腫瘤は発見されてから4か月ほど経過観察して、徐々に拡大しているため、悪性のものの可能性は低いと考えられていたが、結果として摘出した判断が正しかったといえる。
実績詳細
フレンチブルドッグの脾臓に形成された肉腫
種類 | フレンチブルドッグ |
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年齢 | 10歳 |
診療科目 | 軟部外科・整形外科 腫瘍科 |
症状 | 元気食欲は問題ない。検診において、脾臓に腫瘤が発見された |
症状の概要
検査結果
症例は一般状態に異常は認められない。
検診において、脾臓に腫瘤が確認されており、当初15mmほどであった腫瘤が、検診を続けていく過程で20mmほどに拡大した。
また、5mmほどの結節が脾臓内に新生した。
腫瘤の数は少なく、良性である可能性も示唆されたが、ご家族と相談した結果摘出することとなった。
治療方法
開腹して脾臓の摘出を行った。
ー--以下病理所見ー--
脾臓の大きい方の腫瘤は、脾臓の間質成分由来の悪性腫瘍と判断されます。このような脾臓の腫
瘍では、しばしば肝臓や腹腔内などへの転移を引き起こします。初期の段階で切除されていますが、念のため、経過観察をお勧めします。小さい方の腫瘤は、非腫瘍性病変である結節性過形成と診断されます。反応性あるいは加齢性の変化と考えられます。
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治療・術後経過
結果として、悪性の肉腫が発見されたが、非常に早期の摘出であったため、予後は良好と考えられる。
担当医:白井 顕治
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