横隔膜ヘルニアは先天性もしくは交通事故などの強い外傷によって引き起こされる。本症例がいつから横隔膜ヘルニアを患っていたかは定かでない。横隔膜ヘルニアは腹部コンパートメント症候群に関連して周術期の死亡率が低くない疾患であるため、無症状で発見された場合には手術を行うか否かの判断が難しい疾患といえる。症状があって発見された横隔膜ヘルニアは手術の対象となる。
実績詳細
ベンガルの横隔膜ヘルニア
検査結果
若齢の猫が突然の食欲不振を起こしていた。嘔吐も発生しており、過去に異物を誤嚥して他院にて内視鏡で摘出した経歴もあるとのことだった。そのため、今回の症状も異物誤嚥が関連している可能性が高いと判断しレントゲン撮影を行ったところ、横隔膜ヘルニアになっていることが分かった。
症状を呈しているため、手術についてインフォームドコンセントを実施して横隔膜ヘルニアを整復することとなった。
治療方法
術前にCTを撮影し、ヘルニア孔の位置を確認して手術を行った。
孔は右背側に直径2センチほどの穴が形成されていた。
小腸全域、および脾臓が胸腔内に脱出していたため、ヘルニア孔を切り広げて腹腔内に臓器を還納後、閉腹した。
幸い腹部コンパートメント症候群が起きる腹圧には至らなかったため、臓器摘出は実施しなかった。
治療・術後経過
術後より呼吸状態は改善し、食欲は改善した。
また、嘔吐も治まり元気になった。
経過良好
担当医・執刀医:白井 顕治
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