犬皮膚組織球種は半円形の赤い脱毛が起こる腫瘤として特徴的な外見を呈する腫瘍である。また、無治療でも自然退縮することが多いという点も、一般的な腫瘍とは異なる挙動を示す。特徴的な外見ではあるものの、そのほかの腫瘍である可能性は除外できないため、最低でも経過観察を行う前には細胞診を実施すべきである。
実績詳細
ミニチュアダックスフントの下顎先端に形成された犬皮膚組織球種
検査結果
症例は下顎正中の先端に円形の脱毛した紅斑を伴う腫瘤が形成されていた。
外見上から、犬皮膚組織球腫を疑ったが、中年齢であったため、細胞診を実施することとなった。
ー-以下細胞診所見ー--
得られている細胞の形態からは円形細胞腫瘍である皮膚組織球腫あるいは形質細胞腫が疑われますが、多くの細胞が密に集簇しており、毛芽腫などの上皮性腫瘍も否定はできません。いずれも良性の腫瘍ですが、皮膚組織球腫は数週間から数ヶ月で自然退縮することが多いですので、縮小せずに増大する場合には再検査や組織学的評価をご検討下さい。
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治療方法
細胞診より、皮膚組織球種が疑われたため、無治療にて経過観察を実施することとなった。
治療・術後経過
2週間後、腫瘤の色素が退縮してきて、大きさも縮小傾向になった。
経過観察を続けていくこととした。
担当医:白井 顕治
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