会陰ヘルニアは未去勢の雄犬に好発するヘルニアである。原因は明らかになっていないが、会陰部の筋肉がホルモンの影響で菲薄化することが原因であると考えられています。ヘルニアとして飛び出す臓器としては、腸管や膀胱、腹腔内脂肪や、メスの場合には子宮などがあり、捻転などが起きると緊急性が高くなる疾患です。整復手術方法が多い一方、再発の起こらない手術方はいまだに解明されていない疾患ですが、近年メッシュを持ちて閉鎖する方法や、同時に臓器腹壁固定を行うことによって再発率が下がってきている疾患です。
実績詳細
ミニチュアダックスフントの会陰ヘルニア
検査結果
身体検査所見の結果、症例は元気食欲に問題はなかったが、おしり周辺を触ると痛そうな様子を示していた。
レントゲン検査及びエコー検査において、左側会陰ヘルニアと診断された。
ヘルニアの内容物は直腸であった。
会陰ヘルニアに特徴的な外貌の一つとして、肛門が恥骨より後方に突出している。
治療方法
会陰ヘルニアの整復は外科手術の適応となるため、手術を実施した。
手術は
去勢手術・直腸腹壁固定術、会陰部ヘルニア孔閉鎖術の三つに分けて行った。
会陰部ヘルニア孔の閉鎖にはプロリンメッシュを用いた。
左側会陰部に腹腔内に達する孔がある事がわかる。
去勢手術と直腸腹壁固定術終了後
ヘルニア孔閉鎖術前
閉鎖術後は直腸が恥骨より頭側に整復されている。
治療・術後経過
術後は便軟化剤を服用し、腹圧をあげなくても排便ができるようにした。
術創は感染などの合併症も起こらず良好に癒合した。
また、手術10日後に抜糸を行った。
その後、経過観察を続けているが会陰ヘルニアの再発は認められていない。
担当医:白井 顕治
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