食べ物以外を摂取してしまうことを異物誤嚥と総じているが、大きく分けて、消化吸収ができないようなプラスチックや布、金属などを飲み込んでしまうケースと、玉ねぎなどの毒物を飲み込んでしまうケースがある。
前者の場合には物理的な閉塞や消化管の穿孔、稀ではあるが、ゆっくりと溶け出すことによって重金属中毒などを引き起こす恐れがある。こうした異物が食道や胃に認められた時には、異物の形状によっては内視鏡下での摘出が選択されるが、今回の症例のように胃を超えて小腸領域に進んでしまった場合には、内視鏡による摘出の適応ではない。
また、小腸を超えて大腸まで進めた場合には、通常そのまま便とともに排泄される可能性が高い。
実績詳細
ミニチュアダックスフントの消化管内異物
種類 | ミニチュアダックスフント |
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年齢 | 2歳 |
診療科目 | 軟部外科・整形外科 消化器科 |
症状 | 何度も吐く、食欲はある |
症状の概要
検査結果
症例は日ごろから、おもちゃのかけらなどをよく呑み込んで、便の中に入っていたり、吐き戻したりすることがあるとのことでした。
今回の症状に関しても、若齢であることから、腫瘍性疾患というよりは異物閉塞や胃腸炎による腸重積を疑ってスクリーニング検査を実施した。
エコーにおいて、小腸領域に異物とみられる影を認めたため、開腹下を行い摘出することとした。
治療方法
異物は回腸から盲腸に移行する部分で閉塞していた。
切開を加え、異物を摘出した
ぬいぐるみの一部とみられる異物
切開部位を縫合し、手術終了とした。
今回の閉塞部位では腸壁の壊死などは確認されなかったため、腸管切除ではなく腸切開にて異物を摘出するのみでよかった。
治療・術後経過
術後より体調は改善し、術部も感染を起こすことなく正常に癒合した。
予後良好
担当医・執刀医:白井顕治
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