犬皮膚組織球腫は皮膚に生じる良性腫瘍と認識されているが、その由来は表皮内樹状細胞のランゲルハンス細胞の反応性増殖であることが明らかにされている。典型的には3歳未満で好発し、外的刺激を受けやすい頭部や耳介、四肢に好発する傾向がある。脱毛し、半円形の紅い腫脹を形成する特徴的な外見を呈する。無治療で自然退縮することがほとんどだが、必要に応じて免疫抑制剤や外科手術が適応されることもある。
実績詳細
ミニチュアダックスフントの犬皮膚組織球腫
検査結果
身体検査所見の結果、元気食欲に異常は認められない。
右口唇に表面の脱毛した半円形の紅い腫瘤が認められた。
外見上、皮膚組織球腫が強く疑われたため確定診断を行う目的で針吸引生検(FNA)を実施した。
ーーーーー以下細胞診結果ーーー
得られている細胞の形態からは、数週間から数ヶ月で自然退縮することが多い良性の腫瘍性病変である皮膚組織球腫が考えられます。しかし、退縮傾向を示さずに、顕著に増大する場合には、組織学的評価をご検討下さい。
治療方法
自然退縮することが多い皮膚組織球腫という確定診断がくだったため、無治療で経過観察とした。
治療・術後経過
3週間おきに経過観察を行い、初診より2か月後には退縮し、毛が生えてきた。
治療終了。
担当医:白井 顕治
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