肝臓や脾臓に発生した腫瘍は良性・悪性を問わずに破裂して出血する恐れがあるため、定期検診を行い、破裂する可能性が高い大きさとなってきたら手術を考えたほうがよいです。
肝臓腫瘍は発生部位に手術の難易度が異なります。
また、腹腔内の腫瘍はかなり大きくなるまで症状を呈さないことが多く、お腹が張っている、太っているというような主訴のみとういうことが珍しくありません。定期検診をしてあげて、早期発見と定期検診を行っていきましょう。
実績詳細
ミニチュアダックスフントの肝臓腫瘍(未分化肉腫)
種類 | ミニチュアダックスフント |
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年齢 | 14 |
診療科目 | 軟部外科・整形外科 腫瘍科 |
症状 | お腹が張っている |
症状の概要
検査結果
レントゲン検査では腹部中央に腫瘤を確認した。
腫瘤は肝臓とも近接しており、由来は肝臓か脾臓か不明であった。
腹部超音波検査の結果、肝臓外側左葉由来の直径11センチの腫瘤が認められた。
肝臓由来の腫瘍(肝細胞がん)と仮診断を行い手術を行うこととなった。
治療方法
術前、腹部は顕著に膨大していた。
術中写真。腫瘤を腹腔外に出して全容を確認している。
腫瘤切除後、肝臓からの出血は認められない。
切除された腫瘤(重さ1.3kg)
縫合後
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病理診断
摘出された肝臓の腫瘍は、非上皮性の腫瘍細胞の増殖から成り立っています。腫瘍は明らかな分化傾向を示していないことから特定できませんが、未分化な間葉系の腫瘍(線維芽細胞など)と判断されます。
このような肉腫は、しばしば脾臓に形成されますが、稀に肝臓にも発生が認められます。マージン部には腫瘍細胞は認められませんが、悪性度の高い腫瘍であることから肝内転移や腹腔内播種などについて注意が必要です。
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治療・術後経過
術後10日で抜糸を行った。
現在経過観察中。
元気食欲良好
担当医:白井 顕治
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