胃拡張捻転症候群は、文字通り胃が捻転・拡張することによって生じる緊急疾患である。
生き物の体に起こる変化として、捻じれや閉塞は特に急性で重度の症状を生じることがあるのですが、その典型例といえます。
突然発症しますので、ほぼすべての症例が緊急開腹手術になります。捻転した状態で様子を見ることはできず、また、捻転した状態で何日も生存することはできないため、慢性疾患にはなりません。
より典型的には、若い大型犬で、食後、激しい運動を起こると捻じれやすいといわれていますが、今回の症例のようにミニチュアダックスのような小型犬で、老齢で、特に食後でもないときに突然発症してしまうこともあります。
腹部が急に拡張して呼吸状態がおかしいと感じた際には、すぐに動物病院に連絡して診察に向かいましょう。
実績詳細
ミニチュアダックスフントの胃拡張捻転症候群
種類 | ミニチュアダックスフント |
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年齢 | 12歳 |
診療科目 | 軟部外科・整形外科 |
症状 | 突然おなかが膨らんできた。苦しそう |
症状の概要
検査結果
腹部が急速に拡大しており、問診及び視診より胃拡張捻転症候群を強く疑った。
レントゲン検査を実施したところ、重度に拡張した胃と捻転サインが認められたため、胃拡張捻転症候群と診断した。
治療方法
経腹壁胃穿刺を行い胃内の空気を抜去して圧力を下げ、ご家族と相談して緊急開腹手術を行うこととした。
誇張した腹部(術前)
捻転した胃を正常位に整復し、胃ー腹壁固定を行った。
また、胃内物の除去を行った。
皮膚縫合
術後1日のレントゲン写真
治療・術後経過
症例は数日後より元気食欲が改善して、術後6日目に退院となった。
現在、再発もなく良好に生活している。
経過良好
執刀医・担当医:白井顕治
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