胃拡張・捻転症候群は、典型的には若い・胸の深い体形の・大型犬が・食後すぐに・激しい運動を行った結果に起こすことが多いといわれているが、この症例のように高齢の小型犬が食事と関係なく発生することもあるため、大型犬だけの病気では決してないことを認識しておく必要があります。
捻転を起こしてしまっているため、急な腹痛(急性腹症)と呼吸促拍、腹囲膨満を呈することが多く、異常が発生した場合には速やかに治療に移行しないと生命が危険にさらされることがある疾患です。実際に捻転の程度や捻転を起こしてからの時間、症例の基礎疾患にもよりますが、周術期の死亡率も高い危険な疾患です。
実績詳細
ミニチュアダックスフントの胃拡張胃捻転症候群に対する外科手術
種類 | ミニチュアダックスフント |
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年齢 | 13歳 |
診療科目 | 軟部外科・整形外科 消化器科 |
症状 | 突然お腹が腫れて呼吸が荒くなってきた。 |
症状の概要
検査結果
症例は呼吸促拍状態で来院し、腹囲が膨満していたため、胃拡張・捻転症候群(胃捻転)が発生していないかどうかを確認するため単純レントゲン撮影を実施した。
胃が変位し、顕著に拡張を起こしていたため、胃拡張捻転症候群と診断を下し、緊急手術を実施することとした。
治療方法
開腹し、捻転変異を起こした胃を正常な位置に整復し、固定を行った。
また、拡張した胃内容物の除去を行い胃の圧力を低下させた。
脾臓などのその他の臓器があわせて捻転を起こしていないことを確認し、閉腹した。
治療・術後経過
手術翌日から流動食を開始した。翌日撮影したレントゲン写真では、胃は整復されたままで、再拡張も起きていなかった。
呼吸状態も正常に改善していた。
数日後に退院し、手術8日後程度に抜糸を実施して治療終了とした。
現在経過観察中
担当医・執刀医:白井 顕治
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