実績詳細

ミニチュアダックスフントの脾臓に形成された血腫

種類 ミニチュアダックスフント
年齢 12才
診療科目 軟部外科・整形外科 
症状 突然元気が無くなった、呼吸が荒い

症状の概要

血腫は外傷性もしくは偶発性に脾臓や肝臓内の太めの血管が切れることにより形成される。血友病遺伝子を保有している場合にも関節内出血や血腫を起こす可能性があるので、若齢で起こした場合には血液凝固系の検査をしっかりと行っておく必要がある。症状は主に急性の出血による症状に準じ、虚脱や粘膜蒼白、呼吸速迫などが主である。
血腫は特発性(原因不明)に生じることも多いため、普段からの予防としては腹部に強い衝撃を加えないように注意する必要がある。
「腫」とついているが、腫瘍性疾患ではないので、摘出して状態を安定化させることができれば経過は良好である。

検査結果

症例は1か月前に健康診断を受けており、肝酵素上昇以外に特に異常は無かった。

一般状態が悪化しているためスクリーニング検査を実施したところ、脾臓に緒方の腫瘤が形成されていた。

 

1か月前の検査時には脾臓には異常が認められていなかったことと、腫瘤内に血管走行がなかったことから、脾臓に形成された大型の血腫の可能性が高いと判断し、手術を実施した。

治療方法

 

脾臓は一部が黒褐色に腫大しており、被膜は薄く光沢を伴っていた。

 

脾臓摘出を行い病理検査を実施したところ、血腫と診断された。

 

 

治療・術後経過

術後より血圧、一般状態共に安定し、退院した。

 

経過良好

 

担当医:白井 顕治

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