パターン脱毛症は毛包の萎縮によっておこる原因不明の疾患である。確定診断には皮膚生検が必要となるが、脱毛は耳介や前胸部、大腿部に限局することがほとんどであり、大きな健康被害も出ないことから、皮膚生検に進む症例は稀である。ダックスやボストンテリア、ミニチュアピンシャーなどの短毛犬種に好発する。被毛のバリアがなくなるため、日光性皮膚炎や毛包炎が多発してしまうことがあるため、症状に応じてスキンケアを実施する。
本症例では発毛が認められたが、同様の治療を実施しても改善が認められないことも多い。
実績詳細
ミニチュアピンシャーのパターン脱毛
種類 | ミニチュアピンシャー |
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年齢 | 1歳 |
診療科目 | 皮膚科 |
症状 | 耳の毛が薄くなっている |
症状の概要
検査結果
症例の体表を観察すると、主訴にあった耳介外側以外に、大腿尾側や前胸部も毛が薄くなっていることが確認された。
抜毛して毛周期を確認したところ、ほとんどが休止期であった。
犬種及び脱毛部位や毛の検査より、パターン脱毛症と診断した。
治療方法
パターン脱毛症に対する特効薬的な薬は存在しない。
ご家族と相談し、試験的にメラトニンの投与を行ったところ、治療開始2か月後に発毛が認められた。
治療前
治療開始2か月後
治療・術後経過
投薬を継続する機関について、相談して決めていくこととした。
現在経過観察中。
担当医:白井 顕治
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