哺乳類は胎児から発生の過程で、睾丸を腹腔内で形成し、犬や猫では生後間もなく鼠径管を通って腹腔外に出て、最終的に陰嚢内に二つの睾丸が収まります。
睾丸が陰嚢内に二つない状態を潜在精巣や停留睾丸、陰睾などと呼びますが、それぞれ片側性や両側性があります。片側性であることの方が多いですが、まれに両側性潜在精巣の症例も存在します。
また、停留している場所が腹腔内、腹筋内、腹腔外鼠径などに大別されます。通常今回のケースのように、停留している睾丸は萎縮しているため、触診で見つけることが難しいことがあります。そういった症例では順序立てて精巣を探すことが肝要となります。
実績詳細
メイクーンの潜在精巣の手術
種類 | メイクーン |
---|---|
年齢 | 0 |
診療科目 | 軟部外科・整形外科 |
症状 | 睾丸が一つしかない、去勢手術を行いたい |
症状の概要
検査結果
症例は元気闊達で、臨床症状はない。
触診したところ、陰嚢内に睾丸が一つしかなく、片側潜在精巣と診断した。
治療方法
潜在精巣に対しては手術適応となるため、去勢手術を行うとともに、腹腔内に停留した睾丸を取り除く手術を実施した。
常法通りに陰嚢内の睾丸の摘出を行う
次いで開腹し、前立腺から伸びる精管をたどって腹腔内の睾丸を発見し、摘出を行った。
腹腔内に停留していた睾丸は萎縮していた(下)
治療・術後経過
若齢であるため、病理検査は行わずに治療終了とした。
経過良好
担当医:白井 顕治
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