実績詳細

ヨークシャーテリアの歯周病に対する口腔外科

種類 ヨークシャーテリア
年齢 10歳
診療科目 軟部外科・整形外科 歯科 
症状 口臭がすごい。スケーリングをお願いしたい

症状の概要

歯周病は文字通り、「歯周」の疾患です。歯周、つまり歯の周りなので、あごの骨や歯肉が主な標的になる疾患です。
歯周病が進行してしまうことによって生じる全身への悪影響は人医療においてもすでに提言されており、獣医療内でもその後を追うように重要性が注目されています。実際に歯周病に罹患しているレベルとして、多くのワンちゃん・猫ちゃんが人間と比較すると著しく悪いことも明らかになっています。実際にご家族の「ヒト」の中で、歯石が付着しすぎて唇が炎症を起こしたり、歯周病が進行しすぎて自然に歯が抜けてしまったというようなことは、現代の歯科医療レベルを考えるとそうそう起きないことだと思います。しかし、ペットに対して歯科治療を行う際には、この症例でもそうであるように麻酔をかける必要があるという点がネックになっているという点もあります。
麻酔前検査を実施して、適切に処置を実施していきましょう。

検査結果

症例は外見上、中度から重度の歯周病に罹患していた。これまでも他院にてスケーリングを実施したことがあり、抜歯して欠損している部分もすでにあった。

 

麻酔科での精査及び口腔外科の適応であることをお伝えし、麻酔前検査を実施したところ特に検出される身体異常がなかった。

 

そのため、麻酔科でのスケーリング、口腔外科を実施することとなった。

治療方法

歯科レントゲンを14枚法にて撮影したところ、残存している歯のほとんどが、進行した歯周病であり、残すことが不可能なレベルまで達していた。

 

レントゲンによる診断に基づき、抜歯もしくは歯石除去とポリッシング(表面磨き)を実施した。

抜歯を行った部分については、歯槽骨の露出を防ぐため縫合を行った。

 

治療・術後経過

治療当日及び翌日に感染症予防のためネブライザー療法を実施し、翌日からふやかしの食事の給餌を開始した。

 

既に残っていた歯のほとんどは機能していなかったため、抜歯後もこれまでとほぼ変わらずに摂食できた。

 

経過良好

 

担当医・執刀医:白井 顕治

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