実績詳細

ヨークシャーテリア(6.9kg)の前十字靭帯断裂に対するTPLO手術(脛骨高平部水平化術)☑

種類 ヨークシャーテリア
年齢 8歳
診療科目 軟部外科・整形外科 
症状 右後肢を痛そうにしている

症状の概要

犬の前十字靭帯断裂では、自然治癒は期待できません。そのため、関節の安定性を回復させるための外科的治療が基本となります。

治療法にはいくつかの種類がありますが、大きく分けて以下の2つの考え方があります。

関節外法(extracapsular repair)
 膝の外側にナイロン糸などを通して、切れた靭帯の代わりに膝を安定させる方法です。小型犬や体重の軽い犬に用いられることが多く、手技が比較的簡便ですが、術後の膝の安定性や長期的な関節機能の回復はやや限定的とされます。

骨切り術(TPLO、TTAなど)
 脛骨の角度を調整し、前方への力(脛骨前方移動力)を力学的に抑える方法です。とくに**TPLO(脛骨高平部水平化骨切り術)**は、体重や犬種にかかわらず優れた安定性を得られる手術として近年主流になっています。

当院では、すべての犬種・体格に対してTPLO法を採用しており、術後の早期リハビリや筋肉回復において良好な結果を得ています。

検査結果

右後肢の跛行を主訴に来院しました。触診では膝関節の腫脹と軽度の疼痛を認め、前方引き出し試験(クラニアルドロアサイン)および脛骨圧迫試験でいずれも陽性反応を示しました。レントゲン検査では膝蓋靭帯前方の脂肪パッドサインが確認され、関節液の貯留と軽度の関節炎変化を認めました。これらの所見より、右前十字靭帯断裂と診断しました。

治療方法

治療は外科手術を実施しました。関節包を開いて内部を確認し、断裂していた前十字靭帯を除去するとともに、損傷していた内側半月板の処理を行いました。関節内を洗浄した後、脛骨の角度を調整する**脛骨高平部水平化術(TPLO)**を実施し、専用のプレートで骨を固定して手術を終了しました。

治療・術後経過

 

術後の経過は良好で、手術から3日目には右後肢での負重が確認されました。2週間後の再診時には、ほとんど違和感なく歩行できるようになっており、順調な回復を示しました。

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