甲状腺機能亢進症に対する治療薬(チアマゾールなど)の副作用の一部に、体のかゆみがある。発生率は5%程度であるが、確率的に20頭に1頭程度は遭遇するため、まれな副作用ではない。この副作用が出てしまった場合には、通常ほかの甲状腺に対する薬に対してもアレルギー反応を起こしてしまうため、内科療法は選択することができないことがほとんどである。これは、最終代謝産物に対する反応であるため、どの薬でも行きつく代謝物は同様のものであるためである。そのため、このようなアレルギー反応が出てしまった場合には、外科療法もしくは食事療法でコントロールしていく必要がある。
実績詳細
ロシアンブルーの甲状腺機能亢進症の治療に対するアレルギー
検査結果
症例は高齢のロシアンブルーである。
血液検査を実施したところ、甲状腺のホルモンが異常高値を示しているため、甲状腺機能亢進症と診断した。
その後、甲状腺機能亢進症に対する内服を飲んだが、その薬に対するアレルギー反応(薬疹)が出てしまい、特に頭頚部に強い掻痒感が出てしまった。
治療前
抗甲状腺ホルモン薬投与1週間後
治療方法
抗甲状腺ホルモン薬(チアマゾール)の投与を中止し、短期間プレドニゾロンの投薬を実施した。
また、甲状腺機能亢進症に対してはご家族と相談し、食事療法にて対応することとなった。
治療・術後経過
休薬後、頭部の掻痒はおさまった。(発毛も始まってきている)
食事療法にて経過を観察していくこととした。
担当医:白井 顕治
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