交通事故は外に遊びに行くネコちゃんに頻発する外傷の原因となります。経験的には体の一部に強い衝撃を受けた場合、そのほかの部位にはそこまで大きな損傷をきたさないことが多いです。つまり、腹部に衝撃が加わっている場合には頭頸部は問題なかったり、本症例のように頭部にあたったと考えられる場合には腹部や骨盤は障害を受けていないことが多いです。いずれにせよ非常に緊急性の高い状態であるため、すぐに動物病院での診察を受けましょう。受傷後、おうちまで戻れない場合が多いため、極力、室内飼育を行うか、最低限首輪に飼い主様の住所やお名前を書いておくことをお勧めいたします。
実績詳細
交通事故による顔面骨折
種類 | 猫 |
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診療科目 | 軟部外科・整形外科 |
症状 | 外出して帰ってきたら、血まみれになっている。車に引かれたと思う |
症状の概要
検査結果
身体検査の結果、顔面が腫れ、眼と鼻から出血が認められた。
鼻出血が認められるため、呼吸が非常に苦しい状態となっていた。
また、レントゲン検査では上顎骨の骨折及び下顎骨の正中剥離が認められた。
経過より、交通事故による外傷と判断された。
胸部腹部レントゲン検査や超音波検査では頭部以外の気胸や臓器損傷は認められなかった。
治療方法
顎骨骨折を整復するための外科手術と食道チューブの設置を全身麻酔下で行った。
創面全体が泥などで汚染されていたため、感染源の除去および洗浄・消毒を行ったのちに、ワイヤーを用いて上顎骨整復を行った。
整復手術後のレントゲン
治療・術後経過
術後は栄養チューブから食事を与えていたが、徐々に口から食べるようになってきたため、チューブは抜去した。
術後30日程度で外貌はほぼ元の通りまで改善した。
経過良好
担当医:白井 義昭
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