実績詳細

多中心型B細胞型リンパ腫に罹患したコーギー

種類 ウエルシュコーギー
年齢 7歳
診療科目 腫瘍科 
症状 体表のリンパ節が腫れてきた

症状の概要

リンパ腫は血液のがんであり、由来の細胞によりT細胞型もしくはB細胞型に大別されます。また、細胞畏敬により高分化型(低悪性度)と低分化型(高悪性度)に分類されます。また、異なった角度からの分類としては、同じリンパ腫であっても、出現する場所によって皮膚型リンパ腫、消化管型リンパ腫、多中心型リンパ腫などに分類され、どのような型なのか、また、どの程度まで進行しているのかなどによっても予後は異なります。
一般的な悪性腫瘍に対する治療方法として、外科手術や抗がん剤療法、放射線療法などの選択肢が存在します。そのなかでも、リンパ腫に対しては抗がん剤療法(化学療法)が選択されることが一般的です。しかし、一言に抗がん剤療法といっても、様々な剤形、薬剤強度のくするが存在するため、ご家族とよく話し合って投薬内容やスケジュールを決定していきます。

検査結果

症例は元気食欲ともに良好であったが、体表のリンパ節の腫脹が認められた。

 

体表リンパ節の場所についてのブログ記事

 

そのため、リンパ節の針吸引生検を実施した。

ーー以下針吸引生検所見ーーー

 

いずれのリンパ節から得られている細胞も、大型のリンパ系細胞が主体で、核分裂像も多く、低分化型の多中心性リンパ腫が考えられます。クローナリティ検査の結果もご参照下さい。

 

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また、クロナリティー検査を実施したところ、B細胞に対するクロナリティー上昇が認められた。

 

 

診断

多中心型リンパ腫(B細胞型)

内臓および肺への転移は認められなかったが、腹腔内リンパ節の腫脹は認められた。

治療方法

抗がん剤療法を選択し、治療を行った。

 

治療・術後経過

治療開始直後より体表のリンパ節の腫脹は引き、抗がん剤に対する副作用もほぼ起きなかった。

 

治療開始後、16カ月経過した時点で再発が認められたため、異なる抗がん剤を用いたが、効果が認められず予後不良となった。

 

 

担当医:白井 顕治

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