実績詳細

柴犬の両側潜在精巣とスケーリング処置

種類 柴犬
年齢 2歳
診療科目 軟部外科・整形外科 歯科 
症状 小さいころから、睾丸が下りてきていないといわれていた

症状の概要

精巣は、通常では腹腔内で形成され、生後間もなく腹腔内から鼠経間を通って腹筋の外に出て、陰嚢内に収まる。陰嚢内に収まっていない状態を潜在精巣・停留睾丸、陰睾などと呼ぶ。潜在精巣は片側のこともあれば両側の場合もあるが、確率的には片側であることのほうが多い。また、停留している場所によって名前の違いはないが、腹筋内にとどまっている場合、鼠経輪にはまっている場合、そして鼠経輪は通過したが、陰嚢内には収まっていないようなものがある。これらは将来的に主要化する確率が極めて高いことが知られており、触診やエコーで一を診断して摘出を行うべきものである。

検査結果

症例は両側の睾丸が陰嚢もしくは鼠経に認められず、腹腔内にあることが明らかであったため、開腹して摘出することとした。

治療方法

 

開腹して、左右の睾丸をそれぞれ腹腔内から摘出した。

どちらの睾丸も委縮していたが、形状に異常は認められなかった。

 

 

また、閉腹後にスケーリング処置を行い、歯石の除去と歯の表面の研磨を行った。

治療・術後経過

術創は感染も起きずに癒合した。

 

若齢であることもあり、両側の精巣に腫瘍性の変化は認められなかった。

 

歯については、スケーリング1週間後から徐々に歯磨きを開始し、歯周病の再発に努めることとした。

 

 

経過良好

 

担当医・執刀医:白井顕治

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