角膜結膜炎においては免疫介在性を診断する方法は乏しく、乾燥性・感染性・外傷性を除外した後には免疫介在性を疑い試験的にステロイド剤を含有している製剤を使用し、その反応によって免疫介在性かどうかを判断している。
本症例のように改善が認められた後、完治する者もいれば、再発する者もいる。また、休薬後すぐに再発する者もいれば、数か月から数年後に再発する者もいるため、治癒というよりは寛解という表現を用い、経過を観察していく。
実績詳細
柴犬の免疫介在性角膜炎・結膜炎(疑い)
種類 | 柴犬 |
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年齢 | 8歳 |
診療科目 | 眼科 |
症状 | 他院にて緑内障疑いといわれた。点眼をしても改善しないため当院受診 |
症状の概要
検査結果
初診時、症例の右目を観察したところ、結膜充血を呈していた。
眼圧を測定したところ、左右ともに13~15mmHgであった。
非常に眼圧が低めで維持されていたということと、左右の目において眼圧の差が認められなかったため、すでに緑内障に使用する眼圧降下作用のある点眼剤を行っているが、徐々に減薬を行った。
2週間後、完全に休薬してから眼圧測定を実施しても同様の正常眼圧が(17mmHg)が得られたため、緑内障ではないと判断した。
次いで、マイボーム腺機能不全症に伴う軽度の涙膜以上によるウエットタイプドライアイが認められたため、それに対して眼軟膏及び人口涙液の治療を実施したが、炎症・充血の程度に大きな改善は認められなかった。
ドライアイ及び感染性の炎症を除外したため、免疫介在性を疑いステロイド剤の点眼を使用した結果、充血が改善された。
治療方法
治療前
角膜は軽度に浮腫を起こし、結膜は充血している
治療開始1週間後
角膜浮腫が焼失し、透明になっている。また、結膜充血も軽くなってきている
治療開始4週間後
結膜充血も消失したため、いったん治療終了とした。
治療・術後経過
現在経過観察中
経過良好
担当医:白井 顕治
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