心房中隔欠損は犬や猫でまれに認められる生まれつきの心臓奇形です。多くは無症状で検診時などに発見されますが、欠損孔の大きさによっては運動不耐性などの症状を示す場合もあります。
確定診断は心エコー検査によって行われます。当初は血圧の関係上、左右短絡を示しますが、肺高血圧が進行すると右左短絡(アイゼンメンジャー症候群)に発展し、チアノーゼを引き起こします。治療は外科的な欠損孔の閉鎖と、内科による維持療法があります。
実績詳細
柴犬の心房中隔欠損の診断と治療
種類 | 柴犬 |
---|---|
年齢 | 2 |
診療科目 | 呼吸・循環器科 |
症状 | ワクチン接種時に、聴診で心雑音が聴取された。 |
症状の概要
検査結果
症例はワクチン接種をした際の身体検査として聴診を行ったところ、心雑音が聴取されたため検査のための心エコーを行った。
臨床症状はなく、元気食欲ともに良好だった。
心エコー検査では左右の心房を隔てる心房中隔に欠損が認められ、左心房から右心房へ向かう異常血流が認められた。
心房中隔の欠損と右心房・右心室の拡大が認められる。
カラードプラによって血流を確認している。
左右短絡の先天性心房中隔欠損症と診断した。
治療方法
外科療法は希望されなかったため、内科療法において血圧・心拍・心収縮力の調節を行っている。
治療・術後経過
治療開始後半年経過しているが、現在引き続き臨床症状は認められず、また、病期の進行もしていない。
経過観察中
担当医:白井 顕治
お気軽に
ご相談ください
志津しらい動物病院043-462-1122 受付時間 9:00~11:30 15:00〜18:30
佐倉しらい動物病院043-483-1212 受付時間 9:00~11:30 14:00~17:30