軟骨肉腫は拡大や転移は緩徐であるため、悪性腫瘍に分類されるものの、骨肉腫よりは予後は良好とされている。しかし、手術で切除が難しい場合には、局所浸潤や転移は起こりえるので、発生した場所によっては注意が必要である。
実績詳細
柴犬の鼻腔内軟骨肉腫
種類 | 柴犬 |
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年齢 | 12才 |
診療科目 | 腫瘍科 |
症状 | 鼻が詰まった症状がある。2か月前、鼻にできものができて、血が出ているという主訴で来院 |
症状の概要
検査結果
相談の結果、診断を行うために鎮静下で腫瘍の一部を切除して、病理検査を行う事とした。
腫瘤切除後
ーーーーー以下病理所見ーーー
鼻腔内から採取された組織は、軟骨への分化を示す非上皮性の腫瘍が形成されており、軟骨肉腫と診断されます。
軟骨肉腫の場合、骨肉腫に比べ、比較的緩徐な増殖を示しますが、局所浸潤性の強い腫瘍であることから、更なる病変の拡大について注意が必要です。
治療方法
鼻腔入り口にあった腫瘤を切除した後も、鼻が詰まったような呼吸音は改善されなかったため、鼻腔内にも病変が広がっている可能性が強く疑われた。
積極的な治療を行う場合には、病変の広がり方次第では上顎部分切除や放射線治療の適応になることが予想された。
ご家族と相談した結果、鼻炎の症状を内服で緩和しつつ経過観察を続けていくこととした。
難骨肉腫は緩徐な進行を示すものの、すでに鼻腔の閉塞音が強いため、呼吸不全や誤嚥性肺炎、二次性気管虚脱にならないかを気を付けて観察を続けていくこととした。
治療・術後経過
根治的治療法を行っていないため、予後は不良と考えられる。
現在経過観察中
担当医:白井顕治
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