猫における線維肉腫の発生としては、悪性度の高いワクチン接種部肉腫が有名であるが、今回発生した腫瘤はウイルス感染やワクチン接種とは関係なく自然発生した比較的低悪性度のものであった。切除状況が良好であるため、術後抗がん剤などは行っていない。
実績詳細
猫の体表に形成された線維肉腫の手術
検査結果
症例の前肢に直径1センチほどの腫瘤が認められ、しきりに気にして舐めていた。
出血し始めるとなかなか止まらないため、ご家族が手術による切除を希望された。
針吸引生検を行ってからの手術をご提案したが、すぐにとってほしいというご要望でしたので、切除生検を実施した。
治療方法
全身麻酔下で切除を行った。
治療・術後経過
術創は良好に閉鎖し、術後10日後に抜糸を行った。
また、切除された腫瘤は病理検査を行った。
ー以下病理組織検査所見ーー
切除された組織では、ポリープ状に隆起する腫瘤が形成されています。病変部では、紡錘形細胞の増生が起こっており、肉芽組織との鑑別が必要ですが、配列が不整であることから、線維肉腫と診断されます。腫瘍の境界は比較的明瞭で、マージン部には病変は認められません。今回の切除により予後は良好である可能性が高いと考えられますが、念のため、局所再発について経過観察をお勧めします。
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現在再発など認められず、経過良好
担当医:白井 顕治
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