乳腺には類骨の細胞が正常にも存在しており、その細胞が悪性化することによって乳腺にも骨肉腫を発生することが知られている。
実績詳細
秋田犬の乳腺に発生した骨肉腫
検査結果
症例は右第5乳腺付近に直径10センチほどの腫瘤が形成されていた。
乳腺部に発生していることから、乳腺由来腫瘍を疑い細胞診を実施した。
ーー以下細胞診所見ーー
得られている細胞の一部は密集していますが、形態を観察できる細胞は間葉系の細胞や筋上皮細胞などが考えられ、大型の腫瘤であることから軟部組織肉腫や悪性筋上皮腫などの腫瘍が疑われます。
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治療方法
細胞診の結果を受けて、乳腺由来腫瘍ではない可能性が疑われたため、乳腺領域切除ではなく腫瘍から直接マージンを取って切除することとした。
転移皮弁を用いて術創を閉鎖した。
治療・術後経過
術後2週間で皮膚は壊死することなく良好に癒合した。
ーー以下病理所見ー
下腹部の腫瘤では、大型の非上皮性の悪性腫瘍が形成されており、乳腺由来の骨肉腫と診断されます。マージン部や鼠径リンパ節に腫瘍性の病変は認められず、摘出状態は良好と考えられますが、大型で、悪性の腫瘍であることから、引き続き、その他のリンパ節や肺野の状態などについて経過観察をお勧めします。
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病理結果を受けて、経過観察を続けていくこととした。
担当医・執刀医:白井 顕治
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