猫の開口呼吸(口を開けて呼吸)は呼吸困難を示す兆候であり、緊急性の高い状態であることがほとんどである。重度の鼻炎、肺炎、肺水腫などの呼吸器疾患によるものや心筋症などの心疾患が原因である場合が多い。いずれにしても酸素室で安静にしながらの治療が望ましいため、多くの場合は入院治療となる。ただし、常に開口呼吸をしているわけではないケースや軽度の場合は通院治療となる事もある。
その他、極度の緊張、興奮、熱中症や子猫が過度な運動後に一過性の開口呼吸を呈することもある。
実績詳細
肺炎を疑って入院治療を実施した雑種猫
種類 | 雑種猫 |
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年齢 | 2歳 |
診療科目 | 呼吸・循環器科 |
症状 | 昨日から呼吸が苦しそう、口を開けてハァハァと息をしている、食欲・元気が |
症状の概要
検査結果
前日より呼吸が苦しそう、開口呼吸をしているとのことでレントゲン検査と心臓超音波検査を実施。明らかな心疾患はなく、肺疾患が疑われたため、酸素室での預かりとなった。また主訴にはなかったが、院内で膿性の鼻汁排出を確認した。
治療方法
話を詳しく聞いたところ、1週間前から鼻水やくしゃみが出ていたとのことであった。
肺炎を第一に疑い、抗生剤の投与を実施して7日後には一般状態および酸素飽和度、レントゲン上も改善が認められたため、退院とした。
治療・術後経過
本症例では、成猫で室内飼育、環境の変化や外猫含む他の猫との接触もなく、今回が初めての呼吸器症状とのことで発症の明らかな原因は不明だが、抗生剤投与と酸素室での安静で良化していることも踏まえると何らかの感染が生じたのだろうと考えられた。ただし、易感染に繋がりうる基礎疾患が根底にある可能性も否定はできないが、今回の検査所見からは明らかではなかった。今後も繰り返す場合は更なる精査が必要になると考えられる。
担当:吉川
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