血腫は血管の破綻によって発生する出血の結果である。外傷性に発生することもあれば、特発性に発生してしまうこともある。症状は主に失血による食欲不振や虚脱である。
症状が出てる場合には、出血量を考えても比較的大型の血腫が形成されているはずなので、レントゲン検査や腹部超音波検査によって発見することができる。診断は摘出後の病理検査によってつけることが多い。
実績詳細
雑種犬の脾臓に形成された血腫
種類 | 雑種犬 |
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年齢 | 14歳 |
診療科目 | 軟部外科・整形外科 |
症状 | 元気がなく食欲もない |
症状の概要
検査結果
症例は元気消失と沈鬱状態で来院した。
レントゲン検査において上腹部に腫瘤性病変を認めた。
エコーにより確認すると、脾臓が由来の大型の腫瘤性病変が認められたため、ご家族と相談した結果、手術を行うこととなった。
治療方法
開腹し、腫瘤を含めた脾臓の摘出を実施した。
血管シーリングシステムを使用することによって、腹腔内に縫合糸・結紮糸を残すことなく手術することができている。
治療・術後経過
以下病理所見ー-
脾臓の腫瘤部から複数の組織を検索しましたが、腫瘍性病変は認められません。血腫内部には出血とともに髄外造血が混在していることから、良性病変であるこれらの変化の起こっている脆弱化した領域に出血が惹起された病変と推察されます。
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病理診断より、非腫瘍性の血腫であったため、経過良好と判断した。
現在経過観察中
担当医・執刀医:白井 顕治
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