腎臓に形成される腫瘍としては腎細胞癌や腎芽腫、リンパ腫などが挙げられる。今回のように肉腫が形成されることは比較的珍しい。
実績詳細
雑種猫の右腎に形成された肉腫(腎癌)
検査結果
症例は軽度に肥満した個体であった。
食欲の低下及び活動性の低下を主訴に来院していたが、対症療法に対して反応が乏しいため精査を実施した。
結果として、右の腎臓の腫瘍化及び後腹膜の液体貯留が認められたため、元気消失の理由は右腎に起因すると判断した。
ご家族と治療内容を相談し、右腎臓を摘出することとした。
治療方法
術前の様子
後腹膜を切開して内容の液体を除去し、右腎臓を摘出した。
摘出した腎臓
閉腹して手術終了とした。
治療・術後経過
術後3日目より一般状態は改善し、術創も良好に治癒した。
ーー以下病理検査所見ーー
検索した右腎臓では、紡錘形の非上皮性の腫瘍性の病変が形成されています。明らかな分化は示していませんが、線維肉腫様の挙動を示す腫瘍と考えられます。
マージン部や脈管内に腫瘍細胞は認められませんが、腫瘍は被膜外に浸潤しています。摘出状態は良好と考えられますが、遠隔転移などについて経過には注意が必要です。
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病理診断および摘出状態から、予後は要注意と判断された。
ご家族と相談したところ、二次診療に行くことはせずに当院において経過観察が希望だったため、気を付けて予後を管理していくこととした。
担当医・執刀医:白井 顕治
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