若い猫には、ストレスにも関連して特発性膀胱炎の発生率が高いことが知られている。この特発性膀胱炎は難治性で、繰り返すことが多く、治療の目的としては完治させるというより、膀胱炎になってしまう頻度を減らしていくことになっている。また、膀胱炎が起こると炎症が波及することによって尿道炎も併発するk十が多い。特に雄猫では尿道が狭いため、この尿道炎の際に尿道痙攣が起きて尿路閉塞が起こされる。実施している会陰尿道造瘻術は、膀胱炎の発生率を下げるものではなく、膀胱炎による尿路閉塞を起こさないようにするための手術である。繰り返し閉塞を起こし、何度もカテーテル処置が必要となる症例にはこの手術を実施するかどうか考える。
実績詳細
雑種猫の尿路閉塞に対する会陰尿道造瘻術
検査結果
症例は若く元気活発な子であった。
問診を実施すると、最近トイレの素材を変更し、それを嫌がってかトイレを我慢するようになっていたということであった。
初診時、すでに尿道炎による尿路閉塞まで進行しており、ご家族と相談した結果、手術を行わずに管理できるかを観察するため、5日間ほど尿カテーテルを設置して入院とした。
カテーテル設置時、尿道内には栓子が形成されていた。
尿カテーテルを抜去し、退院してから翌日には再び尿路閉塞の症状を呈したため、ご家族と相談し、会陰尿道造瘻術を実施することとした。
治療方法
再びカテーテルを数日間留置し、尿道の炎症が収まってから手術を実施した。
術後はカテーテルをつけずに終了とした。
術後翌日より自発的に排尿を始めた。
治療・術後経過
述部も良好に治癒したため、治療終了とし、今後は散発的に発生するであろう特発性膀胱炎に対する治療を実施することとした。
担当医:白井 顕治
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