猫において便秘は比較的よく認められる消化器症状である。治療方法としては食事療法や緩下剤によって緩和していくことが挙げられるが、結腸内で硬結してしまうと、糞石と呼ばれ、非常に硬くなってしまうことがある。
こういった場合、用手法で取り出すことが困難なうえ、糞石と比較すると直腸壁や周囲血管組織が脆弱であるため、障害を起こす可能性があるため、開腹下での糞石摘出が治療方法として挙げられる。
子の症例においては、結腸摘出など行わずに良好な経過をたどっている。
実績詳細
雑種猫の巨大結腸症に対する外科的な排便
種類 | 雑種猫 |
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年齢 | 13歳 |
診療科目 | 軟部外科・整形外科 消化器科 |
症状 | 便が出ない |
症状の概要
検査結果
症例は中年齢期より、巨大結腸による便秘を患っていた。
食事療法及び内科療法で維持していたが、同居猫のフードを食べてしまったため、便が出なくなってしまったということだった。
鎮静下で浣腸及び用手法での摘便を試みたが、糞塊が非常に硬く大きかったため、摘出することができなかった。
そのため、ご家族と相談したうえで、開腹して直腸結腸内の便を摘出することとした。
治療方法
手術前の様子
糞塊が貯留しているため、腹部が膨隆している。少し触っただけでも硬結した塊が触知された。
結腸を腹腔外に出し、切開を行い結腸直腸内の糞便をすべて除去した。
その後、結腸を二重縫合し、閉腹した。
また、数日間食事をとることができなかったため、食道チューブを設置して手術終了とした。
治療・術後経過
経過は良好であり、食道チューブ内から投薬及び給餌を行い、良好な排便が数回観察されたのちにチューブを抜去して治療終了とした。
担当医・執刀医:白井 顕治
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