ネコに発生しやすい心筋症としては、肥大型心筋症や拘束型心筋症が多いが、本症例のように拡張型心筋症を起こすこともある。
血管系の走行の違いにより、心不全に陥ると、犬と比較して容易に胸水が貯留する。また、犬と比較して内服薬を継続的に飲むことが難しい性格のペットも多いため、注意して経過を観察する必要がある。
実績詳細
雑種猫の拡張型心筋症
種類 | 雑種 |
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年齢 | 15歳 |
診療科目 | 呼吸・循環器科 |
症状 | 呼吸が荒い |
症状の概要
検査結果
突然元気と食欲が低下したという主訴で来院。
努力呼吸を低体温と呈していたため、胸部レントゲン検査を実施した。
その結果、胸水の貯留を認めたため、さらに精査するために心エコー検査を実施した。
心筋が菲薄化し、収縮率の有意な低下を認めたため、拡張型心筋症による心不全と診断した。
また、右心房内にスモーキングエコーを確認した。
心電図検査において、不整脈は認められなかった。
治療方法
胸水の抜去および強心剤及び収縮補助剤、利尿剤などの内科療法を実施した。
また、血栓症と予防のため、抗血小板薬の投与も併せて行った。
治療・術後経過
現在は一般状態および呼吸は安定している。
ネコに発生する心筋症としては予後は決してよくないため、胸水の再貯留がないかを含めて経過観察中。
担当医:白井 顕治
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