猫の歯周病において、臼歯(奥歯)は歯石が付着しやすく、歯周病が進行しやすい歯である。それよりも小型の歯は九州病巣によって消失してしまうことが多い印象がある。ネコの口が開きっぱなしになっているときには顎関節の異常や呼吸器の異常、口腔内の異物や腫瘍などが鑑別に入るが、本症例のように歯石や歯周病によって開口・閉口がうまく行えていないこともあるため、問診の聴取とともに注意深く観察することが正確な診断を行うために重要であるといえる。
実績詳細
雑種猫の歯周病による開口障害
検査結果
症例は診察時流涎がひどかった。
食べにくそうにしているということで、口内炎の存在を疑ったが、口が半開きになっているため、呼吸器に障害があるのかを精査するために開口して口腔内を観察した。
また、顎関節に異常をきたしている可能性もあるため、口を開け閉めして観察した。
開口は問題なく行えるものの、閉口ができないため周囲を観察していると、歯周病によって抜けかかっている歯が引っ掛かって口を閉じ切れていないことが分かった。
開口は問題なく行える
治療方法
非常に動揺が強く、歯根組織もほとんど残っていなかったということと、本症例が非常におとなしく処置を行うことができたため、そのまま抜歯を行った。
治療・術後経過
抜歯後に正常に開口・閉口ができることを確認できたため、抗生剤と消炎剤を処方して治療終了とした。
担当医:白井 顕治
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