猫は生き物として胸水をよく貯留する傾向にあります。心臓に以上があったり、腫瘍性に貯留することも、時には原因不明に特発性貯留を起こすこともあります。そんな中で乳び胸はきょうまくの線維性炎症を引き起こすため、肺梗塞のような状態に進行してしまうことがあり、危険な状態といえます。
実績詳細
雑種猫の胸水貯留(糖尿病・肥大型心筋症・肝臓腫瘍・肺転移・癌性胸膜炎による)
検査結果
症例は数か月前より、糖尿病および肥大型心筋症と診断され、自宅で内科療法を行っていた。
検査の結果、胸部および腹部に液体の貯留が確認されたため、初期診断として呼吸不全の原因は胸水および腹水貯留による呼吸不全と判断した。
治療方法
エコーガイド下で胸水を抜去した結果、リンパ球に富む乳び液が抜去された。
左が抜去した胸水、右が抜去した腹水
また、腹水を抜去した後に腹部エコーを実施したところ、肝臓及び脾臓にびまん性の腫瘍性病変が形成され、胸部では肺門リンパ節の腫大が認められたため、腫瘍の転移によるがん性胸膜炎もしくは肥大型心筋症による乳び胸と診断した。
治療・術後経過
抜去後、数日は呼吸が安定していたが、胸水の貯留が起き、ご家族と相談した結果、退院となった。
担当医:白井 顕治
お気軽に
ご相談ください
志津しらい動物病院043-462-1122 受付時間 9:00~11:30 15:00〜18:30
佐倉しらい動物病院043-483-1212 受付時間 9:00~11:30 14:00~17:30