人間においては、鼻血は比較的よく起きる症状であるが、犬と猫では一般的ではなく、鼻出血を起こした場合には腫瘍の可能性を考えなくてはなりません。しかし、鼻血が出ていたら必ず腫瘍というわけではありません。腫瘍以外には歯科疾患や異物、慢性炎症やアレルギー性疾患の可能性がありますので、注意深く診断することが重要です。鼻の中は骨に囲まれていますので、確定診断を行う場合には骨内部の構造をより鮮明に撮影することができるCT検査及び組織採取による病理診断が必要になりますが、眼球の位置や疼痛、レントゲン所見や治療経過などにより、腫瘍の疑いの強さを計り、必要と考えられる場合には二次診療施設を紹介しております。
実績詳細
鼻腔内扁平上皮癌及び免疫介在性血小板減少症を呈したシェルティー
検査結果
くしゃみとともに鼻出血を起こすとの主訴で来院。
レントゲン検査の結果、鼻腔内の不透過性亢進と骨融解を疑う所見が認められた。
血液検査では顕著な血小板の減少が認められたが、血液凝固時間の異常は認められなかった。
以上より、鼻腔内腫瘍と、DICもしくは免疫介在性血小板減少症が疑われたため、二次診療施設(東京大学付属動物医療センター)への紹介を行った。
検査の結果、鼻腔内扁平上皮癌および免疫介在性用血性血小板減少症であると診断された。
治療方法
免疫介在性血小板減少症については、ステロイド剤の投与によって血小板数に改善が認められた。
鼻腔内腫瘍については、ご家族と相談した結果、放射線療法を希望されたため、日本大学付属動物病院への転院を行った。
治療・術後経過
現在治療中
緩和療法であるため、予後は不良であると考えられる。
担当医:白井 顕治
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