多くの外傷は、洗浄やワセリン塗布などを実施して、感染を制御することによって治癒することが期待できるが、皮膚の治癒を遅延させる原因が慢性的に存在する場合には、皮膚自体が治癒作業をやめてしまう場合がある。創傷はあくまで周囲組織を起点として治っていくため、周囲皮膚の状態を確認して治癒する見込みがない場合には、失活した皮膚を除去してしっかりと傷を閉鎖することが重要といえる。
実績詳細
11歳の雑種猫の肛門腺破裂の皮膚再建
検査結果
症例は肛門腺破裂後、内科療法において経過を観察されていたが、数カ月に及んで傷が癒合しないということで受診した。
創傷周囲の皮膚を観察したところ、菲薄化しており、このまま消毒などを行っても癒合が望めないと判断したため、麻酔科で皮膚を再建することとした。
治療方法
術前の評価において。肛門腺自体はすでに治癒していることを確認した。
すでに活性を失っている皮膚を切除し、前進皮弁を形成して皮膚欠損孔を閉鎖した。
肛門にテンションがかからないように慎重に縫合した
治療・術後経過
手術直後
術後、縫合線が癒合したところ。
治療終了とした。
担当医・執刀医:白井 顕治
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