脾臓の血腫は特発性に発生する。中年齢から高年齢にかけて発生が多くなり、小型犬が多い印象を受ける。
症状は決まったものはないが、よく起こるものとしては元気消失と食欲不振である。仮診断はレントゲン検査及びエコー検査によってつけ、大型の血流を伴わない脾臓由来の腫瘤を認めた場合に血腫を疑う。診断は摘出後の病理検査によって行う。
実績詳細
13歳のシーズーの脾臓に形成された血腫
種類 | シーズー |
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年齢 | 13歳 |
診療科目 | 軟部外科・整形外科 |
症状 | 元気がない。食欲も少しない |
症状の概要
検査結果
症例は高齢のシーズーで、既往歴としては、アトピー性皮膚炎があり、受診は主に皮膚科が多かった。
数日前より突然元気がなくなってしまったため、受診され、普段と様子があまりにも違うためにすぐに検査をすることとなった。
腹部超音波検査において、脾臓由来とみられる大型の腫瘤性病変が認められたということと、貧血が認められたため、この腫瘤が関連している可能性を考え、手術により摘出することとなった。
治療方法
術前、回復後に腫瘤を確認
癒着をはがし、脾臓由来であることを確認して脾臓を摘出した
腹膜や肝臓への転移性病変がないことを確認して閉腹した。
治療・術後経過
ー--以下病理検査所見ー-
摘出された脾臓の腫瘤は、血腫と診断されます。病変部には結節性過形成や髄外造血が混在していることから、良性病変であるこれらの変化の起こっている脆弱化した領域に、何らかの原因で出血が惹起されたと推察されます。腫瘍性の病変は認められず、今回の切除により予後は良好と考えられます。
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症例は、術後2日目より食欲を取り戻し、元気に退院した。
術創も正常に癒合し、治療終了とした。
経過良好。
担当医・執刀医:白井 顕治
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