佐倉しらい動物病院ブログ

犬と猫の避妊手術について

こんにちは、獣医師の白井顕治です。

この記事では、犬と猫の避妊手術についての情報を記載していきます。

避妊手術とは、メスのペットに行われる、卵巣や子宮を取り除くことにより不妊化することを目的として行われる手術です。

不妊手術と記載されることもあります。病院によって避妊手術の術式が異なりますが、メスの場合には、不妊のみが目的であれば、卵管を縛って卵子が子宮に行かないようにするだけで不妊化することは可能ですが、後々の雌性ホルモン関連性の疾患の予防のためにも、卵子は切除した方がよいと言えます。

当院では、左右の卵巣および子宮の全摘出を行います。

卵巣のみを切除する術式もあり、子宮を残しておいてもその後病気になる可能性は高くないとの報告もありますが、子宮が残って入り上、のちに子宮蓄膿症に進行する可能性もゼロにはなりませんので、当院では避妊手術時に卵巣と子宮を摘出する術式を採用しています。

去勢手術を同等に考えられがちですが、避妊手術はオスの睾丸と異なり、腹筋を切開し、腹腔内の卵巣と子宮を摘出してくる手術です。手術の一つの基準として、腹筋を切開するか否かで手術難易度や手術時間が異なります。その点で、避妊手術は去勢手術と比較して、手術時間がやや長くなります。

手術対象となる年齢は犬でもネコでも生後7か月以降を当院では飼い主様には勧めさせていただいております。

これは、先日の記事のオスに対する「去勢手術について」と同じタイミングといえます。

7か月という理由についてですが、特に犬の小型種においては、歯が乳歯から永久歯への生え変わりがうまくできない「乳歯遺残」という遺伝的な異常が比較的よく発生します。

歯の中で最後に生え変わるのは犬歯で、遅くとも7か月齢までには生え変わることがわかっています。逆に言うと、7カ月になっていても生えている乳歯は、遺残乳歯ということになりますので、矯正のためにも抜歯を行う必要があります。

歯の抜歯にも全身麻酔が必要となりますので、去勢手術と同時に行えるように7か月以降の避妊手術を勧めているというのが理由です。

避妊手術単独であれば、5か月齢程度から(病院によってはより早く実施する医院もあると思います。)行うことができますが、その月齢で行ったのちに、乳歯遺残であるとわかった場合に、全身麻酔を短期間で2回かける必要が出てきてしまいます。

そういった事態を避けるための7か月齢手術ということです。

また、避妊手術を行う予定がない場合でも、乳歯遺残が認められる場合には歯列矯正のために乳歯抜歯を行うことが推奨されます。遺残乳歯抜歯の推奨時期は、同じく7か月齢程度となります。

去勢手術と異なる点として、7か月以降であった場合には、犬種の体格の大きさにもよりますが、発情が始まってしまうケースがあります。後述しますが、避妊手術の目的の一つとして、雌性ホルモン関連性の疾患の予防を目的とした場合には、初回発情前の避妊手術が推奨されています。

こちらに関しては、以前は2~3回ほど発情してしまうと、その後に避妊手術を行っても乳腺腫瘍や乳腺眼に罹患する確率は下がらない(手術を行っても腫瘍発生の予防効果が望めない)と言われていましたが、近年の報告では、おおよそ2~3歳までに避妊手術を行えば、行っていない場合と比較して乳腺の腫瘍の発生率が低下することが示されています。

こういった雌性ホルモン関連性の疾患を予防するという目的では、出来れば初回発情前、遅くとも2~3歳までには避妊手術を行うのがよいということですね。

手術を行うメリットについては、まずは望まれない子犬、子猫が増えることを予防することができます。本人にとっても、これはオスの去勢手術と同様ですが、実らない性衝動が起きるストレスや、発情中にマウンティングされてしまうことなどの予防にもなります。

また、卵巣と子宮を摘出することにより、当然ですが、卵巣と子宮の疾患にはその後かかることはありません。卵巣であれば、発情周期異常や卵巣腫瘍などですね。卵巣にも良性・悪性を問わず腫瘍が発生することが少なからずあります。また、子宮に対しては子宮水腫や子宮蓄膿症の罹患リスクがなくなります。

他にも、乳腺の腫瘍の発生率が下がることが示されています。これは繰り返しの文章になりますが、以前は2~3回ほど発情してしまうと、その後に避妊手術を行っても乳腺腫瘍や乳腺眼に罹患する確率は下がらない(手術を行っても腫瘍発生の予防効果が望めない)と言われていましたが、近年の報告では、おおよそ2~3歳までに避妊手術を行えば、行っていない場合と比較して乳腺の腫瘍の発生率が低下することが示されています。

乳腺腫瘍の発生を予防するという目的では、出来れば初回発情前、遅くとも2~3歳までには避妊手術を行うのがよいということですね。

手術を行うデメリットについては、術後にホルモンの変調により、食欲が旺盛になったり、やや太りやすくなったりすることがあげられます。

総じてメリットの方が多いため、「この子の子供がほしい」という目的がない限りは、基本的には避妊手術を行うことをお勧めしています。

以上が避妊手術を考えている方に対して一般的に診察中にお話しする内容になります。

ただ、個々の犬種や歯の様子、家庭環境によってお勧めする内容が変わることは良くありますので、いつ頃が手術の適期なのかも含めて、ご不明な点があれば、お気軽にお問い合わせください。

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