佐倉しらい動物病院ブログ

高齢のネコちゃんに多い病気のはなし

こんにちは、獣医師の白井顕治です。

この記事では、高齢のネコちゃんによく認められる病気について、簡単に紹介させていただきます。

ネコちゃんの飼育頭数がわんちゃんよりも多くなったことと、室内飼育をしている場合には平均寿命がわんちゃんよりネコちゃんの方が長いことが要因となり、高齢医療という点ではわんちゃんと比べてネコちゃんの方が多く遭遇するのがペット医療の現状です。

人間と同様、高齢になるほどさまざまな病気に罹患するリスクは上がってきますが、その中でもよく認められる病気と、その概要について紹介させていただきます。

ー慢性腎不全ー

「ネコちゃんは腎不全になりやすい」というのは多くの飼い主様が知っている情報だと思います。様々な原因により、腎臓の機能が低下してしまった状態を慢性腎不全といいます。慢性腎不全に関しては特異的な治療があるわけではなく、食事療法などの支持療法を行うことによって悪化する速度をゆっくりにしてあげることが治療の目的となります。早期発見には定期的な尿検査や血液検査が重要となります。

また、慢性腎不全に罹患すると、二次的に高血圧症を併発することもあるため、定期的な血圧測定を行う必要があります。

この高血圧症は、慢性腎不全のどのステージでも発症することがあるため、初期の腎不全であってもチェックする必要があります。

犬と猫の腎不全の診断について

ー高血圧症ー

高血圧症は、正常と比較して血圧が著しく高くなってしまっている状態で、ふらつきや性格変化、嗜好性変化や発作、突然の失明を起こすリスクがあります。

安静時の最高血圧が180mmHgを超える場合に高血圧症と診断されます。

もし血圧が高かった場合、一回の測定のみで決めることはなく、日をまたいで2~3回ほど高血圧が続けて認められた場合に診断されます。

高血圧症には二次性と特発性があります。

二次性の場合には、慢性腎不全、心疾患、褐色細胞腫、高アルドステロン血症、糖尿病、甲状腺機能亢進症等が基礎疾患となっている可能性が高いため、これらの疾患の探索を行います。

こういった基礎疾患が認められない場合には特発性高血圧症と診断します。

二次性の場合には、基礎疾患とともに高血圧に対しても治療を行わないと血圧が下がらないことが多いため、降圧剤の内服を行い血圧を管理していきます。

ー甲状腺機能亢進症ー

こちらの病気も慢性腎不全症と同じく、高齢のネコちゃんに比較的よく認められる疾患であることが認知されています。頸部にある甲状腺という組織が、働きすぎてしまうために起きる疾患で、甲状腺が良性腫大にして生じることも、悪性腫瘍が発生して起こることもあります。また、甲状腺機能亢進症のうち10~15%ほどは、異所性甲状腺腫といって胸腔内などに甲状腺組織が存在する場合があり、その場合には頸部に甲状腺の腫れを触れないこともあります。

診断は特徴的な外見や臨床症状および血液検査における甲状腺ホルモンの測定によって行います。

甲状腺ホルモンは1日の中で変動することがあり、また、ほかの病気に罹患していると低めに出る傾向があるため(ユーサイロイドシック)、1回の検査で確定診断が行えないこともあります。

治療方法には甲状腺組織の外科的な摘出や、内服による甲状腺機能の抑制、療法食による食事療法があります。

海外では放射性ヨウ素を用いた治療もありますが、日本国内では認可されていません。

甲状腺疾患の詳細については、また別の記事で紹介させていただきます。

ー関節炎ー

老齢猫、特に12歳以上のネコの90%以上に様々な程度の骨関節炎が存在するという報告が出されています。起こりやすい部分は肘や膝が多く、初期にはあまり症状を示しませんが、不活発になったり、寝ている時間が多くなったり、抱っこをすると怒ったり、高いところに登らなくなったりするなどの症状が出ることがあります。

根本的な治療方法はないため、生活環境の改善と痛み止めによる治療が主になります。

ーリンパ腫ー

ネコちゃんに発生が多いと知られている腫瘍の一つです。

特に悪性度の低い、高分化型消化管型リンパ腫は発生が比較的多く、また、あまり激しい臨床症状を出さないため、見逃されがちです。

多くの場合、食欲は変化がないか、やや低下している程度、1~2週間に1回くらい吐いたり、体重がゆっくりと減少して行ったりするのがこの病気の特徴的な臨床症状です。

診断は臨床症状および腹部超音波検査によりこの病気が疑われた場合には、消化管内視鏡検査を行って、腸粘膜を生検し、確定診断を行います。

走り書きのような記事になってしまいましたが、これらが高齢ネコちゃんに良く認められる疾患です。

昨年、17歳で亡くなった私のネコは、高血圧症と糖尿病と甲状腺機能亢進症とリンパ腫に罹患していました。

このうちどれか一つしかかからないというわけではありませんので、ネコちゃんが10歳を超えたら定期検診を行って、これらの病気が発生していないかどうかを確認していきましょう。

これらの疾患にかかっているのかな?と感じたら、お気軽にご相談ください。

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