こんにちは、獣医師の白井顕治です。
この記事では、通常動物病院で行われる検査について広く薄い内容を記載していきます。
ペットの病気の中には、外見を診たり少し手で触るだけで診断ができる病気もありますが、それはごく一部であり、ほとんどの病気は診断をこなうために何らかの検査を必要とします。
まず最初に需要なのは、完璧な検査というのは存在しないということです。
検査においてより管北京、理想的な条件というのは
短時間で終わり
痛みがなく
偽陽性や偽陰性のようなあいまいな判断がなく
麻酔を必要とせず
費用が安い
というところかなと思います。
完璧な検査、例えば「このライトをおでこにあてれば病名がはっきりとわかる」といったものがあれば、その検査以外の検査は不要となりますが、現実にはそんなライトは存在しません。
人間ドックを例にとってみても、さまざまな検査がありますよね。様々な検査があるということは、どれも完璧なものではなく、各検査がお互いの欠点を補い合っているということです。
さて、通常病院内で行われる検査には
徒手検査(触診)
尿検査
便検査
眼科検査(より細かく分かれます)
皮膚科検査(より細かく分かれます)
画像診断(レントゲン・エコー・CT・MRIなど)
血液検査(より細かく分かれます)
内視鏡検査
試験開腹
等があげられます。
当院におけるインフォームドコンセントの中で使われる言葉として、通常「負担のかからない検査」と説明をするときの「負担」というのは、麻酔や鎮静の有無を指して使っています。
つまり、この中で負担のかかる検査というのは、CT、MRI、内視鏡検査、試験開腹があげられ、試験開腹などは検査後に術創が形成されますので、特に負担の大きいものです。
通常はこのような負担のかかる検査は後に回し、それ以外の検査で診断を行えるかどうかを判断していきます。
負担のかからない検査を行っていく
↓
その中で異常が認められた場合には、時間を開けてもう一度検査を行ったり、疑われる病気の診断に内視鏡やMRIが必要であると強く疑われた場合にはその検査を行います。
負担のかからない検査で診断できれば、それに越したことはないですからね。
この記事の中では「通常」という単語を多用しましたが、ペットの状況によって行っていく検査はまさに個々によって異なります。
また、検査というのは、何回行っても「検査」なので、検査を行って病気が治ることは通常ありません。例えば血液を何回とっても、病気がそれによって治癒することはないということですね。
検査によって診断を行い、その診断に基づいて治療を行うことによって病気を治していくという一連の流れが重要です。