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📌保護猫を迎えた後、体調を崩しやすい理由
保護猫は、外で生活していたり多頭環境で育ったりしているため、
免疫力が低かったり寄生虫や感染症を持っていることが少なくありません。
新しいお家に来て環境が変わることで、
隠れていた体調不良が表に出てくることもよくあります。
📌保護猫に多い体調トラブルとは?
保護猫によく見られる体調トラブルは以下のようなものです。
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下痢や軟便:寄生虫感染、食事の変化、ストレスが原因の場合があります。
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くしゃみ・鼻水(猫風邪):多くの保護猫がキャリアになっているウイルスが原因のことがあります。
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食欲不振・脱水:栄養状態が良くない場合や環境ストレスが原因です。
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寄生虫感染:便検査で分かりますが、外で生活していた猫には特に多いです。
📌自宅で様子を見ても良い場合
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元気があり、ご飯をしっかり食べている
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くしゃみが数回程度で、鼻水が少なく元気がある
こんな場合は、
お家を暖かくして落ち着ける環境を作り、
しばらく様子を見ても問題ありません。
📌すぐに動物病院へ相談すべきサイン
保護猫は体力が少ない子が多いため、
体調を崩すと一気に悪化することがあります。
以下のような症状があれば、
できるだけ早くご相談ください。
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下痢や嘔吐が続く
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食欲がなくぐったりしている
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くしゃみや鼻水がひどく目やにも多い
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呼吸が荒く苦しそう
📌まず動物病院で何をするのか
当院では、保護猫を迎えた際には:
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体重・体温チェック
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便検査での寄生虫確認
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ワクチン接種のプラン相談
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必要に応じて血液検査・点滴治療
を行い、その子に合ったケアを一緒に考えていきます。
📌当院で実際にあった症例
保護猫を迎えたばかりで目やにがひどかった子猫を検査したところ、FVR(猫伝染性鼻気管炎ウイルス)と診断され、治療と環境管理で元気に育った症例があります。
元気食欲がなく、体重減少と腹囲膨満が認められたため、精査を行ったところ、FIPであると判断された子猫
📌まとめ|保護猫を迎えたら体調管理を大切に
保護猫はとても大切な家族ですが、
迎えたばかりの時期は特に体調変化に気を付けてあげることが大切です。
当院では、保護猫の健康診断や治療プランを飼い主さんと一緒に考えています。
気になることがあれば、いつでもご相談ください。
著者プロフィール
白井顕治(しらい けんじ)院長
獣医師、医学博士
日本動物病院協会(JAHA)獣医内科認定医・獣医外科認定医・獣医総合臨床認定医
保護猫の健康管理は、その子の一生を守る大切な第一歩です。
どんな小さな不安でも、遠慮なくお声かけください。
当院は日本動物病院協会(JAHA)から認定を受けている動物病院です。
当院は国際ねこ医学会(isfm)よりキャットフレンドリーゴールド認定を受けている病院です。